「傷のついたタイヤや、すり減ったタイヤを使用するのは大変危険です!」
という事は、改めて言われるまでもなくみなさんよくご存知だと思いますが、実際にはかなり危険な状態になるまでタイヤを使用し続ける方もいらっしゃいます。
車はハガキ4枚分の面積で支えられています。タイヤ1輪に対してハガキ1枚分の接地面しかありません。定期的に、自分の目でタイヤをチェックする事をおすすめします。
タイヤ交換の目安としてスリップサインが出てきたら交換時期と言われてますが、ほとんどの場合タイヤは均等には減りません。
スリップサインが出ていなくても一番溝が浅くなっている部分が2mmをきったら変えた方がいいでしょう。(新品時は乗用車用で約8mm)均等に溝を減らすコツは前後輪のローテーション(5,000Km毎)と空気圧設定です。空気圧はパンクしていなくても徐々に減っていきます。少な目の空気圧だとタイヤの両端が減りやすくなります。真中の溝が残っているのに両端がつるつると言うケースは非常に多いです。逆に多めにいれると両端は減りにくくなります。
全ての項目において100点満点というタイヤは存在しません。
なぜならグリップ力とライフはおおよそ反比例しますし、排水性と静粛性、剛性と乗り心地なども完璧な両立は難しいからです。
つまりどの部分かは目をつぶり、自分の希望に合うタイヤを見つける事がタイヤ選びのポイントになります。項目別のポイントを紹介しますのでご参考下さい。
首都高のようなカーブが多く、スピードものる道を頻繁に使う方は、グリップの良いタイヤを選択した方がより安全です。グリップ力があるタイヤは、柔らかいコンパウンドを使用しているため減りが若干早い傾向があります。
排水性を良くするためにはタイヤの溝をより太くすればいいのですが、そうすると静粛性が損なわれてしまいます。特に横方向に太い溝が入っているタイヤはうるさいです。過去にはびっくりするくらいうるさいスポーツ系タイヤもありましたが、最近のタイヤの傾向としては、縦方向には太い溝、横方向には細い溝と、静粛性を損なわないように排水性を良くする工夫がなされています。
コーナリングの時にしっかり踏ん張ってくれるのは剛性の高いタイヤです。剛性が高いタイヤは細かい段差も拾ってしまい少しゴツゴツします。剛性の低いタイヤは乗り心地はいいのですがコーナー時にはタイヤがよれやすいのでミニバンや車重のある車には向きません。
寿命の要素としては、コンパウンドの硬さの他に、新品時の溝の深さがあります。特にショルダー部分ではタイヤによって30%くらいの差があります。ミニバン用タイヤはもとから溝が深くなっています。
同じタイヤサイズでも、最も高いものと安いものでは倍くらいの差があります。タイヤはみんな黒くて丸くて、差が分かりにくいと思いますが、車のパーツの中でも最も性能の違いを体感できるものの一つです。車種や用途にあったタイヤを、より安い価格で購入するためには、各タイヤの性質を良く知る必要があると思います。
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